黄金町バザールディレクター・山野真悟が1990年代に福岡で手がけた「ミュージアム・シティ・プロジェクト」。その一環として1991年に開催された中国前衛美術家展『非常口』の大規模アーカイブ展が、2025年1月11日〜2月28日に中国・泉州で開催されました。本展では、キュレーターの費大為(フェイ・ダウェイ)と、蔡国強(ツァイ・グオチャン)、黄永砯(ホァン・ヨン・ピン)、王鲁炎(ワン・ルーヤン)、楊詰蒼(ヤン・ジューツァン)、谷文達(グ・ウェンダ)ら5名の作家による手紙やドキュメント資料、記録写真、映像が初公開されました。また、当時のメンバーが「非常口」を振り返る映像と実物資料も展示されました。
今回、泉州で展示されたアーカイブの一部と泉州で展示されてない実物資料を黄金町で公開します。若手アーティストやアート関係者の育成を重視する黄金町ならではの特別トークイベントも開催。伝説的なキュレーターやプロデューサーと、次世代のアートワーカー・研究者が集い、現代アートの展示とその記録について議論を深めます。
中国前衛美術家展「非常口」1991文献展
会期|2025年5月9日(金)〜6月1日(日) ※月曜日休場日
場所|高架下スタジオSite-Aギャラリー、八番館、Gallery Exceptional
時間|13:30~19:00
主催|特定非営利活動法人黄金町エリアマネジメントセンター
共催|横浜市
協力|泉州海外交通史博物館厦門大学「現代アートにおけるコミュニティ空間共生戦略研究」ゼミ、西区No.97国際芸術コミュニティセンター、晋江市龍湖鎮人民政府
後援|京浜急行電鉄株式会社、株式会社京急百貨店
テキスト原文(中国語)|林琳(リン・リン)、費大為(フェイ・ダウェイ)
テキスト翻訳|蔡循、徳永倫乃介
再構成|蔡循、徳永倫乃介、ハン・テーホ、劉書佳
キュレーター|林琳、陳颖艳(チェン・インイェン)
顧問|費大為、山野真悟
映像協力|JCOM株式会社
「非常口」プロデューサー山野真悟によるガイドツアー
日程|5月31日(土)15:00〜
集合場所|高架下スタジオSite-Aギャラリー
特別トーク
日程|5月10日(土)15:00〜17:00
会場|高架下スタジオSite-D集会場
ゲスト|費大為、山野真悟、林琳、陳海茵(チン・カイン)、細井昇平(費大為、林琳zoomで登壇予定)
言語|日本語/中国語
通訳|池田リリィ茜藍
※入場・参加無料/トーク終了後に軽食を交えた交流会を予定しています。
ゲスト
費大為(フェイ・ダウェイ)
1954年、上海に生まれる。中国の第一世代の現代美術キュレーターであり、1985年の「新潮美術運動」に参加し、中国の現代美術を国際舞台に紹介した最初の中国人批評家の一人。1954年に上海で生まれ、1985年に中央美術学院美術史学科を卒業後、同校で教鞭をとった。1986年にはフランス文化省の招待を受けてフランスで講演を行い、1987年から1989年にかけてはフランスのポンピドゥー‧センターと協力して「大地の魔術師」展の企画に携わった。1989年からはインディペンデントなリサーチャー‧キュレーターとしてフランスに移住し、1990年以降数々の展覧会を海外で企画。
2002年に北京にユーレンス現代美術センター(UCCA)を設立し、2008年まで館長およびユーレンス財団ディレクターを務める。ここでは約2,000点に及ぶ中国現代美術のコレクションを構築。2018年、21年、23年には、パリのカルティエ現代美術財団および上海当代芸術博物館と共同で複数の展覧会を企画した。
2016年から2024年まで上海当代芸術博物館の学術委員長を務め、2014年以降はフランス‧カルティエ現代美術財団のコレクション委員会委員および中国芸術顧問も務めている。
山野真悟
1950年、福岡県に生まれる。現在は横浜・黄金町エリアマネジメントセンターの顧問を務める。1978年、福岡にIAF芸術研究所を設立。1991年から2004年まで、「ミュージアム・シティ・プロジェクト(Museum City Project)」の事務局長を務め、「都市と芸術」をテーマにさまざまな展覧会を企画。2005年には、横浜トリエンナーレ第2回展でキュレーターを務める。2008年に横浜へ移住し、翌年黄金町エリアマネジメントセンターの事務局長に就任。2014年には第65回芸術選奨文部科学大臣賞を、2016年には横浜文化賞を受賞。著書に『アートとまちづくり』(共著:鈴木伸治、2021年、春風社)がある。
林琳(リン・リン)
1978年、泉州に生まれる。現在は厦門大学創意与創新学院デジタルメディアアート専攻の副教授、修士課程指導教員。独立キュレーター、アーティストとしても活動している。主にデジタルメディアアートと学際的な融合・イノベーションの研究に従事。
現在、世界華人華僑ヒューマンインタフェース協会の監事、文化・観光部重点実験室「閩台文化のデジタル継承と知能計算」研究員などの職に就いている。
これまでに、文化・観光部の文化芸術研究プロジェクト、福建省社会科学計画プロジェクト、中央大学基礎科研業務費プロジェクト、晋江市龍湖鎮人民政府からの委託プロジェクト、故宮鼓浪嶼外国文物館からの委託プロジェクトなどを主導。また、文部科学省の「文化産業発展特別プロジェクト」、科学技術革新2030「脳科学と脳模倣研究」国家重点課題のサブプロジェクト、福建省科学技術計画誘導プロジェクト、VR国家重点実験室オープンプロジェクトなど、多くの縦横断的な研究プロジェクトにも中核メンバーとして参加。
特許およびソフトウェア著作権を十数件取得。国内外の重要な学術誌や会議で論文を20本以上発表し、専門書を2冊出版。国内外の博物館、美術センターなどで30件以上の展覧会を企画・参加。アニメーションテレビシリーズを3作品企画・監督し、いずれも国家優秀アニメーション賞を受賞。個人作品も国内外の重要な賞を十数件受賞している。
陳海茵(チン・カイン)
1991年中国生まれ、小学校から日本静岡県で育つ。2016年東京大学大学院学際情報学府修士課程修了(社会情報学)。2021年東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。2024年から東京工科大学メディア学部助教。専門は芸術社会学、メディア、芸術移民研究。単訳書には、オラーフ・ヴェルトハイス著『アートの値段:現代アート市場における価格の象徴的価値』(中央公論新社、2023年)など。
細井昇平
2004年、千葉県生まれ。東京大学教養学部前期課程在籍。「ZINEを上演する」をコンセプトに掲げる出版/パフォーマンス・ユニット「無断印刷」の編集としてZINEとパフォーマンス制作を軸に活動する傍ら、他者との協働を通じて、ワークショップ、上映会、BARなど、通常の美術空間に捉われない多方面のプロジェクトを展開している。
高架下スタジオSite-Aギャラリー
Site-A Gallery Beneath the Railways
住所|横浜市中区黄金町1-6先
アクセス|
京急線「日ノ出町駅」または「黄金町駅」より徒歩5分
JR/地下鉄「桜木町駅」より徒歩15分
JR「関内駅」より徒歩15分
地下鉄「伊勢佐木長者町駅」より徒歩10分
住所
横浜市中区初音町2丁目42-3
アクセス
京急線「黄金町駅」より徒歩3分、「日ノ出町駅」より徒歩7分
JR/地下鉄「桜木町駅」より徒歩15分
JR「関内駅」より徒歩15分
地下鉄「伊勢佐木長者町駅」より徒歩13分
住所
〒231-0053 神奈川県横浜市中区初音町2丁目43−6(YPAMフリンジセンター 2階)
アクセス
アクセス|
京急線「日ノ出町駅」または「黄金町駅」より徒歩5分
JR/地下鉄「桜木町駅」より徒歩15分
JR「関内駅」より徒歩15分
地下鉄「伊勢佐木長者町駅」より徒歩10分