開催概要

ディレクターメッセージ「地域をつなぐ日常の中のアートの役割」

ディレクターメッセージ

『仮想のコミュニティ・アジア―黄金町バザール2014』出展作品の前で。 作品:ライヤー・ベン《SUGAR CANE LADY PROJECT》2014

アジアの各地で活動するアーティストはどのような形で彼らの地域の日常的な生活とつながり、また彼らの作品は地域においてどのような役割を担っているのでしょうか。

アートと日常的な生活との関係はアーティストと地域の双方にとって重要なテーマであり、その協働関係の可能性はこれからのアジアのアートシーンにおいて注目すべき焦点になるのではないかと思います。私たちの日常は必ずしも整合的とは言えない複雑な状況の中に置かれ、そこでは複数の規則や言語が流通し、交錯しています。一方でアートはある秩序をもったまとまりとして日常的な生活と対蹠的な位置にあり、相互に参照し合う関係を作り出しています。

今回の「黄金町バザール2016」では、異質な文化的背景を持つアーティスト同士の出会いや、アーティスト同様やはり生活世界の地平を共有する黄金町のコミュニティとの出会いを通して、日常的な生活とアートはどのように結びついているのかを検証する実験を行いたいと考えています。それはアートと日常生活の関係から黄金町を見直す試みであり、アーティストの視点から黄金町の多様な可能性を発見することを意図しています。

黄金町バザールディレクター 山野真悟

「黄金町バザール2016—アジア的生活」について

  • 2010年 黄金町バザールの様子
  • 2011年 黄金町バザールの様子
  • 2011年 黄金町バザールの様子
  • 2011年 黄金町バザールの様子
  • 2012年 黄金町バザールの様子
  • 2012年 黄金町バザールの様子
  • 2014年 黄金町バザールの様子
  • 2014年 黄金町バザールの様子
  • 2015年 黄金町バザールの様子
  • 2015年 黄金町バザールの様子
  • 2015年 黄金町バザールの様子

黄金町地区は、かつて売買春等を行う違法な小規模店舗が約250件(2004年)に達し、古くからの店舗や地域住民の転出が生じるなど、生活環境の悪化が地域の深刻な問題となっていました。そのような状況のもと2003年11月に地域住民によって設立された「初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会」は、行政・警察・大学等と連携しながら、安全・安心のまちづくりを推進してきました。その結果、2005年1月に神奈川県警察本部がバイバイ作戦を実施し、違法な小規模店舗の営業を閉鎖。現在も24時間体制の警備が続いています。

そして2008年、京浜急行電鉄と横浜市の協力により高架下に文化芸術スタジオが建設され、アートを活かした新しいまちづくりを目指す「黄金町バザール2008」が開催されました。その後毎年の開催を通して、まちの多様な価値の創出を図ってきました。

9回目となる今回は、ゲストアーティストが黄金町の日常で得た体験や解釈を作品として発表する「アートプロジェクト」、元違法風俗店をリノベーションし、住民とともにまちの魅力を再発見する「まちプロジェクト」を2つの柱にとして展覧会を構成します。加えて、黄金町で日常的に活動するアーティストがまちの中に作品を展示、スタジオの一部を公開することで、黄金町一帯をつなぎ、アートによるまちづくりの可能性を提案します。

開催概要

タイトル黄金町バザール2016—アジア的生活
会期2016年10月1日(土)—11月6日(日)
会場京急線「日ノ出町駅」から「黄金町駅」間の高架下スタジオ、周辺のスタジオ、既存の店舗、屋外、他
開場時間11:00〜18:30
休場日 10月3日(月)、11日(火)、17日(月)、24日(月)、31日(月)
入場料 展示期間中有効のパスポート500円(高校生以下無料)
主催認定特定非営利活動法人黄金町エリアマネジメントセンター/初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会
共催横浜市
後援神奈川県/公益財団法人横浜市芸術文化振興財団
協賛 京浜急行電鉄株式会社/アサヒビール株式会社/アサヒ飲料株式会社
協力神奈川県警察本部/神奈川県伊勢佐木警察署/公益社団法人横浜中法人会/日ノ出町町内会/初黄町内会/初黄日商店会/Kogane-X Lab.運営委員会/公立大学法人横浜市立大学/竹圍工作室/LUXELAKES・A4 Art Museum/ZeroStation/Chiang Mai Art Conversation
助成

asia art week2016