台湾を拠点に活動する作曲家兼サウンドアーティストの吳嘉峻(ウ・ジャジュン)が、本展の一環として音楽パフォーマンスを実施します。過去の楽曲に加え、黄金町滞在期間中に制作した新曲も披露。フルート奏者との共演に初挑戦します。
日時|10月1日(日) 14:30〜、18:30〜
会場|高架下スタジオSite-D集会場(横浜市中区黄金町1-2先)
奏者|吳嘉峻(ウ・ジャジュン)、李子喬(リ・コキョウ)
定員|30名
*各回30分程度。
*黄金町秋のバザールチケット(1000円)の提示が必要。
*事前予約はございませんが、混雑時は人数制限を行う場合がございます。
演奏曲目
1. 《喚起》2022
2. 《金光》2021
3. 《置換》2023
《喚起》
2022, ワコムタブレットとインタラクティブエレクトロニクス
パフォーマー:吳嘉峻(ウ・ジャジュン)
作品のコンセプトは台湾の伝統的な民俗儀式を起点としている。誰かが事故で亡くなった場合、魂は体から離れて、事故が起こった場所に留まるという。そのため、家族は同じ場所で魂を招く儀式を行わなければならない。道教の僧侶は、霊を呼ぶ鐘と葬儀で使用される旗を用いて、亡くなった人たちに対して家に帰るよう呼びかける。
《金光》
2021、エレクトロニクス
《金光》は法華経の観世音菩薩普門品の一節からきたものだ。
「…もしも百千万億もの衆生が 金 銀 ラピスラズリ シャコガイ 紅玉髄 珊瑚 琥珀 真珠等の宝を求め 大海に入り 仮に暴風が吹き荒び 其の船を羅刹や鬼の国に漂着させたとしても 其の中にもし一人でも 観世音菩薩の名を称える者が 居たなら 是の諸々の人々は 皆 羅刹らの苦悩や迷妄の束縛から解放され 自由の境地に達することが出来るだろう…」
《置換》
2023, フルートとエレクトニクス
フルート奏者:李子喬(リ・コキョウ)
ビジュアル・アーティスト:陳繪羽(リリー・チェン)
《置換》は、作家が黄金町滞在中に作曲した新作で、滞在中に感じた不安定さと不確実性のさまざまな経験を反映したものである。この作品は、個人が「不快感」や「不安定さ」にどう対処するかに焦点を当てている。それは、権力構造と社会の中にある不安感を探求し、愛着を持とうとしたり、耽溺に屈したり、交友関係に慰めや喜びを求めたりするものである。
この作品は、人の内なる感情と外的な環境の双方の対比と変化を強調している。フルート奏者の吐息、電車の乱れ、変動する不安定さなどの微妙な乱れや断片的な音を通じて、潜在的に来場者の視線や耳の傾けに注意を払いながら、繊細で個人的な感情を呼び起こそうとするものである。
作曲:吳嘉峻(ウ・ジャジュン)